【パールジュエリー】冠婚葬祭のマナー|弔事と慶事のネックレスの選び方
パールジュエリーは、古くから女性の必需品とされる、フォーマルなシーンには欠かせないアイテムです。その上品な輝きと控えめな美しさは、慶事(お祝い事)では祝福の気持ちを、弔事(お悔やみ事)では慎み深い気持ちを表すのにふさわしいとされています。
しかし、一見シンプルなパールにも、冠婚葬祭のTPOに合わせた厳格なマナーが存在します。「結婚式ではOKだけど、お葬式ではNGなデザインは?」「ネックレスの長さはどれくらいが適切?」といった疑問を持つ方は少なくありません。
この記事では、「パールジュエリー マナー」に焦点を当て、特に重要度の高いお葬式(弔事)と結婚式(慶事)でのパールの着用ルールを徹底解説します。大切な場にふさわしい装いで、大人の女性としての品格を示すためのパール選びの知識を深めましょう。
1. 弔事(お葬式・お通夜)におけるパールジュエリーのマナー
弔事の場では、華美な装飾は避け、「控えめであること」「故人を悼む気持ち」を最優先します。パールは唯一、例外的に許されるジュエリーですが、その選び方には細心の注意が必要です。
【パールの種類と色】
- 推奨: 黒、または濃いグレーや白(ホワイトパール)も着用可能。
- NG: ゴールド系、ピンク系など、華やかな色味を持つパールは避けてください。
【ネックレスの着用ルール】
- 一連(シングル)を厳守:
ネックレスは必ず一連(一本)のものを選びます。「不幸が重なる」ことを連想させる二連や三連のデザインは、マナー違反とされます。一連でも、ボリュームがありすぎるものは控えましょう。
- 長さ: 40cm~42cm程度のレギュラーサイズ(プリンセスタイプ)が基本です。ロングネックレスはカジュアルに見えたり、邪魔になったりするため不適切です。
- パールの大きさ: 7mm~8mm程度が最も一般的で品格があります。大きすぎる(10mm以上)ものは、華美な印象を与えるため避けるべきです。
- 留め具: 目立つ装飾やダイヤモンドなどの石が入っていない、シンプルな留め具のものを選びます。
【ピアス・イヤリングとその他のジュエリー】
- 耳元の装飾: ピアスまたはイヤリングは、一粒のシンプルなパール(スタッドタイプ)のみ着用可能です。揺れるタイプ、大ぶりなデザインはマナー違反です。
- リング: 結婚指輪のみ着用可能です。他のリングは外しましょう。
- NGジュエリー: ダイヤモンド、カラーストーン、ゴールド(地金のみを含む)、輝きが強いものはすべて避けてください。時計の着用も光沢のないシンプルなものにしましょう。
【豆知識】弔事の場でパールが許される理由
パールは涙の象徴とされ、故人や遺族への弔意を表すとされています。このため、派手な輝きを持たず、控えめな光沢(テリ)を持つパールだけが、唯一許される宝石なのです。
2. 慶事(結婚式・パーティー)におけるパールジュエリーのマナー
結婚式や披露宴などの慶事では、華やかさを演出しつつも、主役(新郎新婦)よりも目立たないように配慮することが重要です。ここでは、祝福の気持ちを表す華やかなパールジュエリーの選び方をご紹介します。
【パールの種類と色】
- 推奨: 白(ホワイトパール)が最も正式です。アコヤ真珠、淡水真珠、南洋真珠(白蝶)などが使われます。
- 着用可能: ピンク系、ゴールド系など、華やかな色味のパールも問題なく着用できます。
【ネックレスの着用ルール】
- 二連・三連も可能:
慶事では、「喜びが重なる」「幸せが重なる」という意味合いから、二連や三連のネックレスを着用してもマナー違反ではありません。一連のものよりも華やかで、首元を美しく見せることができます。
- 長さ: レギュラーサイズ(40cm)から、少し長めのオペラ(70cm〜85cm)まで幅広く着用できます。ただし、長すぎるものは食事の際に邪魔にならないよう配慮が必要です。
- パールの大きさ: 弔事よりも自由度が高く、大きめのパール(9mm以上)や、バロックパールなどの個性的な形も、ファッションに合わせて楽しめます。
- 留め具: 地金やメレダイヤをあしらった華やかな留め具も、装飾として楽しめます。
【ピアス・イヤリングとその他のジュエリー】
- 耳元の装飾: 揺れるデザインのピアスやイヤリング、地金とパールを組み合わせたデザインなど、華やかさのあるものがおすすめです。
- 重ね付け: 他の宝石(ダイヤモンドなど)との重ね付けも可能です。ただし、派手になりすぎないよう、バランスを取りましょう。
- NGジュエリー: 昼間の結婚式では、過度に光を反射する宝石(大きなダイヤモンドのティアラなど)は避けた方が無難とされますが、パールは昼夜問わず着用できる万能素材です。
3. 冠婚葬祭で使い分けるパールの賢い選び方
一本で弔事にも慶事にも対応できる、万能なパールネックレスを選ぶことが賢明です。
- 基本はホワイトパールの一連:
初めて購入する一本であれば、まずは7mm~8mmのホワイトパール(一連、42cm)を選びましょう。これは弔事・慶事どちらの場でも、最も品格のある正装として通用します。
- 留め具のシンプルさ:
弔事での使用を考慮し、留め具は目立たないシンプルなデザインのものを選びます。留め具に小さなダイヤモンドなどが施されている場合は、慶事専用と割り切りましょう。
- 弔事用の準備:
もし弔事用として準備するなら、シルバーグレーや黒に近いグレーパールのセットを別に持っておくと、よりマナーに沿った装いになります。
パールジュエリーはTPOを映す鏡
パールジュエリーは、その美しい光沢で女性の首元を飾るだけでなく、着用者の「その場への敬意」や「心のあり方」を映し出す鏡でもあります。
- 弔事: 「一連」「控えめ」「白または黒・グレー」を徹底し、慎み深さを示す。
- 慶事: 「二連もOK」「華やかさもプラス」で、喜びを表現する。
この記事で解説した「冠婚葬祭 パール」のマナーを理解し、大切なシーンでは必ず適切なパールジュエリーを身につけるようにしましょう。それが大人の女性として求められる、真の品格です。












