ダイヤモンドの輝きを保つ！自宅でできる簡単クリーニング術と注意点

Posted by 久米茉里奈 On 10月 31, 2025 0 Comment

ダイヤモンドの魅力は、何と言ってもその「永遠の輝き」です。しかし、婚約指輪や大切なネックレスを毎日身につけていると、皮脂や化粧品、ハンドクリームなどの汚れが徐々に蓄積し、ダイヤモンド本来の輝きが失われてしまいます。

ご安心ください。ダイヤモンドは非常に耐久性の高い宝石です。この記事では、専門家に聞くようなダイヤモンドクリーニングを自宅で簡単にできる正しい洗浄方法と、よくある疑問である超音波洗浄器の利用可否について徹底解説します。大切なジュエリーを美しく保ち、その輝きを最大限に引き出しましょう。

ダイヤモンドの特性を知る：なぜ輝きが失われるのか？

正しいクリーニングを行うためには、ダイヤモンドの特性と、輝きが鈍る原因を理解することが重要です。

ダイヤモンドは地球上で最も硬い物質ですが、表面に「親油性（油に馴染みやすい性質）」があります。この性質のため、人の皮脂や、日常的に使うハンドクリーム、ファンデーションなどの油分がダイヤモンドの表面に付着しやすく、特に裏側（パビリオン）に汚れがこびりつきます。

ダイヤモンドの輝きは、光が内部に入り、正確に反射することで生まれます。表面や裏側に油膜や汚れが付着すると、光の透過や反射が妨げられてしまい、ダイヤモンドが曇って見えたり、本来の虹色の輝き（ファイア）が弱まったりするのです。

つまり、ダイヤモンドの輝きを取り戻す鍵は、「油汚れを効果的に落とすこと」にあります。

自宅でできる最も安全かつ効果的なダイヤモンドの洗浄方法は、中性洗剤と歯ブラシを使った手洗いによる方法です。これは、プロのジュエラーも推奨する基本中の基本です。

つけ置き（油汚れの分解）: 容器にぬるま湯（35〜40℃程度）を入れ、中性洗剤を数滴溶かします。ダイヤモンドジュエリーをその中に入れ、30分〜1時間ほどつけ置きします。この工程で、表面の油汚れが浮き上がります。
ブラッシング（汚れの除去）:ジュエリーを水中で持ち、柔らかい歯ブラシで優しくブラッシングします。特に、ダイヤモンドの裏側（光が当たる部分）や、石を留めている爪の隙間は汚れがたまりやすいので、丁寧に掻き出すように磨きましょう。
すすぎ（残留洗剤の除去）:容器から取り出し、流水で洗剤が完全に流れ落ちるまですすぎます。この際、排水溝に流さないように、ストッパーや受け皿を使って慎重に行ってください。
乾燥:柔らかい布（メガネ拭きやセーム革などが最適）で水分を拭き取ります。最後に、自然乾燥させるか、ドライヤーの冷風を当てて完全に乾かします。

注意点:力を入れすぎると、石留めが緩んだり、地金に傷がついたりする可能性があります。あくまで優しく、汚れを「掻き出す」イメージで行いましょう。

超音波洗浄器は、超音波の振動で目に見えない気泡を発生させ、その気泡が弾ける力（キャビテーション）で汚れを剥がす優れたアイテムです。しかし、使用には注意が必要です。

ダイヤモンドは非常に硬いため、超音波の振動で傷つくことはありません。プラチナやK18ゴールドの地金であれば、超音波洗浄器は油汚れを効率よく落とす非常に有効な方法です。

エメラルド、パール、オパールはNG: ダイヤモンド以外の宝石、特に多孔質（真珠、サンゴなど）や靭性（割れにくさ）が低い宝石（エメラルド、オパール、トルコ石など）は、超音波の振動によって割れたり、欠けたり、内部の処理に使われた油分が抜けたりするため、絶対に使用しないでください。
石留めの確認:古いジュエリーや石留めが緩んでいるジュエリーは、振動によって石が外れるリスクがあります。洗浄前に爪を指で軽く押してみて、石がぐらつかないか必ず確認しましょう。
洗浄液:基本的には水や中性洗剤の薄め液を使用し、専用でない強力な洗剤や、塩素系漂白剤などは絶対に使用しないでください。